【利用レポート】不登校の子はオンラインフリースクールで友達関係とは?

親世代にとって、オンラインフリースクールの人間関係は想像しづらいものですよね。
リアルで会ったこともない、ときに顔も声も出さない中で「友達」と呼べる関係は生まれるのか。

そんな不安を抱くのは、とても自然なことだと思います。

しかし不登校の息子は、1年以上オンラインフリースクールを利用してきた結果、
毎日のように雑談し、ときに一緒にチャレンジをする友達ができています。

同じ不安や痛みを抱えた者同士だからこそ、
学校では得られなかった共感や深い思いやり、安心感を得られています。

息子が学校に行こうか迷っていた時、スクールの友達が登校を後押ししてくれたことには、本当に感動しました

もちろん、現実の学校と同じようにオンラインフリースクールでもすれ違いや摩擦は起きます。
ただ、学校よりもオンラインの特性や運営の介入により、深刻化するケースは少なく、
繊細な子どもでも、衝突から学びや経験値を得やすい環境が構築されていると感じます。

この記事では、オンラインフリースクールでの友達関係について、1年間の利用体験をもとにご紹介します。

目次

結論:オンラインフリースクールでも本物の友達はできる

結論からお伝えすると、オンラインフリースクールでも本物の友達はできます。

むしろ相手と同じ痛みを持っていること、
つながりが同じ趣味などの共通点から始まることで会話しやすい仕組みになっていること、
コミュニケーションの形を自分でコントロールしやすいことなどから、
人付き合いに苦手意識を持つお子さんにとってはリアルより友達が作りやすいと言えるかもしれません。

理由:なぜオンラインでも友達関係が育つのか

1. きっかけの違い

オンラインフリースクールでは、
好きなゲーム、好きなアニメ、推しの配信者などの共通点が入り口になることが大半です。

お喋りが苦手で
「どんな話をすればいいんだろう」
「自分の好きなことなんて相手は興味ないのでは」
「こんな話をしたら変に思われるんじゃないか」
そんなふうに考える必要性が低いのです。

人間関係の構築が苦手な子でも
相手も同じことに興味を持っているという安心感があれば気楽に話すことができます。

話すきっかけの違いがコミュニケーションの円滑さを生み、友達と話す成功体験を積み上げることにつながります。

2. 柔軟なコミュニケーションスタイル

オンラインフリースクールでのコミュニケーションスタイルは様々です。

  • カメラOFF(顔出ししない)
  • マイクOFF(声出ししない・テキストだけで参加)
  • 最初の挨拶以外は聞く専門
  • 声・顔を出したオープンなコミュニケーション

多くのスクール生は、自分自身も同じようなプロセスで慣れていった経験を持っています。
仮にカメラ・マイクOFFの子がコミュニティに参加しても大きな違和感を覚えません。

喋らない子がいたり、初対面でうまく話せない子がいると
奇異な目で見られてしまう学校とは大きく違います。

今の自分に参加できそうな場所に、自分にできる形で参加すれば良い。
「今すぐに100点を取ることができない自分」を責めなくていい。

この安心感が人間関係の土台になっていることは、とても大きなことです。

3. 同じ痛みをわかってくれる安心感

趣味やコミュニケーションスタイル以前に、オンラインフリースクールに通う生徒は、
「学校に行けない痛みを知っている」という共通点を持っています

学校にいれば学校に行くことや、そこでコミュニケーションをとることは当たり前とされます。
学校に行ったから、うまく話せたからといって、褒められることはありません。

しかし学校生活に馴染めずにいる子たちは
「みんなができていることが自分にはうまくできない」
「こんなことに辛さを感じているのは自分だけ」
そんな痛みを毎日のように突きつけられます。

ですが、オンラインフリースクールには、同じ痛みを知る子どもたちがたくさんいます。

学校に行けない辛さや不甲斐なさ、
学校に行くためにどれだけ勇気を振り絞らなければならないかを知っている人がいます。

自分の痛みを本当の意味でわかってくれる人がいる。

それは大きな安心感を与えてくれるものとなり、コミュニケーションに踏み出す勇気を与えてくれます。

【まとめ】なぜオンラインでも友達関係が育つ理由
1. 趣味や好きなことをベースにした入口
2. 自分にあったコミュニケーションスタイルを受け入れる柔軟さ
3. 自分の痛みをわかってくれるという安心感

効果:オンラインの友達ができることによる効果

1. 楽しさベースのコミュニケーションから対人関係の経験値・成功体験を獲得

オンラインフリースクールでは
「一緒に趣味や好きなことに取り組む」
楽しさをベースとしたコミュニケーションが基本となります。

そんな状況下で対人関係を学んでいきます。

  • 会話の中での立ち位置の取り方
  • 話の聞き方、共感の示し方
  • 相手を不快にさせずに自分の意見を表明する方法

学校という世界でうまく生きることができず、楽しむことよりも
「うまくやらなければ」
という思いで生きてきた子たちが、
人とコミュニケーションすることの楽しさや方法を学び直していきます。

2. 同世代との他愛のない会話が社会復帰のハードルを下げる

不登校が長引けば、同世代との何気ない会話の経験値はどうしても少なくなります。
経験値の少なさは学校生活や社会に復帰を阻むハードルとなり得ます。

オンラインフリースクールでの同年代との日々の雑談は、このハードルを下げてくれます。

  • ゲームやアニメの話
  • YouTubeの話
  • 時事ニュース
  • きのこの山派か、たけのこの里派か

テーマはなんでもよく、なんてことない雑談に見えるものが、多くのものを与えてくれます。

これを日常の中で自然と得られることこそが
オンラインフリースクールの最大のメリットのひとつです。

3. 友達と一緒にチャレンジする経験の獲得

多くのオンラインフリースクールでは小さな成功体験を得る機会が設けられています。

  • 朝会での自分の好きなことの発表
  • 期間限定のチャレンジ企画
  • 好きなテーマの研究

ただ一人で挑戦に踏み切り、やり切れる子は決して多くはありません。

しかし好きなもに関する雑談を通じて仲の良い友達ができてくると
「一緒に朝会でこのアニメの紹介しない?」
なんて話が出てきます。

他人と一緒に何かに取り組む経験。
自分がチームに提供できるものが何かを考えること。
仲間のため、今の自分ができることよりもちょっとだけ難易度の高いことに挑戦すること。
やり切ることによる成功体験。

多くの経験を得ることができます。
これも楽しさや好きをベースにした友達関係だからこそ実現ができるのです。

【まとめ】オンラインの友達ができることによる効果
1. 対人関係における経験値・成功体験の獲得
2. 社会復帰時のギャップ軽減
3. 友達と一緒にチャレンジする経験の獲得

課題:オンラインフリースクールにおける対人関係に課題はあるか?

1. 友達とのすれ違いや衝突は起きる?

もちろんオンラインフリースクールはトラブルのない理想郷ではありません。

人が集まれば衝突は起きます。
相性が合わない子にも出会うでしょう。
チャットの一言で誤解が生まれ、仲違いしてしまうこともあります。

ただそれは悪いことではありません。
摩擦に向き合い、経験を糧とできる環境になっていれば
むしろ子どもの成長に向けた絶好の機会となります。

逃げ場がなく、どんなに気まずい相手とも1年間同じ教室で過ごさなければならない学校と違い、
複数のコミュニティに所属することが当たり前のオンラインフリースクールは
より低リスクで人間関係を学べる場と言うことができるでしょう。

2. 居心地が良すぎて学校復帰の意欲がなくなるのでは?

息子がオンラインフリースクールでの生活を謳歌し始めた頃、
「オンラインフリースクールが楽しくなりすぎて、他の選択肢を考えることを放棄してしまうのでは」
という懸念がありました。

当時の息子は
「学校に復帰したとしてもオンラインフリースクールは辞めたくない」
「オンラインフリースクールを辞めるくらいなら学校に行きたくない」
なんてことを言っていました。

しかし時間が経ち、さらにオンラインフリースクールでの友人関係を深めた今、
息子はこういったことを言わなくなりました。

その理由は、フラットな関係性で雑談する友達に上級生がいたことにあるようです。

雑談の中で進路について考える彼らの姿を聞いたり。
進路に向けてスクールを卒業する子が出てきたり。

その中で、

  • 自分もいつまでもこのままではいられない
  • 不登校の自分に選べる進路にはどんなものがあるんだろう
  • 将来やりたい仕事や働き方

と考えるようになっていったようです

子どもだって、子どものまま生きていくことなんてできないとわかっています。
一方で、そこから先を真剣に考えるきっかけというのもなかなかないものです。

そのきっかけを、
親や先生といった他者から言われたからではなく、
友達が将来について考える姿から内発的に生まれたのだとすれば、
その後の子どものアクションはより能動的なものとなっていくでしょう。

3. 全てを親が把握できないのは危険では?

オンラインフリースクールは実際に利用するわけではない親とって、なかなかに分かりづらい世界です。
だからこそ、そこで何が起きているかの全てを知りたくなってしまいます。

しかし学校に通っていても子どもの全てを知ることはできません。
それはオンラインフリースクールも同じです。

メンターからの1on1の結果報告、サービスの利用データなどから情報は得られるので、
それはしっかり見ておきましょう。

また利用時間などの最低限のルールを設け、
メンターからの1on1の結果報告、サービス利用状況に目を通したら、
あとは

「今日はどんな感じだった?」

そんなふう声をかけて、
子どものやっていることに肯定的な関心を示し、
子どものSOSを見逃さないようにすれば十分です。

【まとめ】オンラインフリースクールにおける対人関係に課題はあるか?
1. 友達とのすれ違いや衝突は対人関係を学ぶチャンス
2. 年齢が上の友達が進路を考え、卒業していく姿を見ることで、自分の将来を考えるきっかけを得られる
3. 全てを親が把握する必要はない

実例:友達が登校を応援してくれた瞬間

最後に我が家の息子がオンラインフリースクールの友達から勇気をもらい、
登校することができたエピソードをご紹介します。

終業式への参加

不登校になって半年ほどたったある日、
突然息子が「終業式だけでも学校に行きたい」と言い出しました。
不登校になって以来、1日も学校に行っていない中での突然の宣言でした。

しかし当日の朝になると「やっぱり行けないかも」と言い、部屋にこもってしまいました。

まあ行けなくても仕方ない。行こうと思っただけでも大きな進歩だ。
そんなふうに考えていました。

ですが、しばらくすると
「オンラインフリースクールのみんなにチャットで相談したら、めっちゃ応援された。やっぱり行く」
と部屋から出てきました。

「がんばれ」
「応援してる」
「行こうと思っただけでもすごい」
「勇者」
そんな言葉をかけられたようです。

同じように学校に行けていない。学校に行くための怖さを知っている。
そんな仲間からの言葉だからこそ重みがあり、息子に響いたのだと思います。

無事に登校を終え帰宅した息子は
「ほとんど誰とも話せなかった」「ずっと黙ってた」
と言いますが、その表情に落ち込みの色は見えず、どこか誇らしげでした。


自分で考え、決めて、行動し、乗り越えたという事実が、息子を支える経験になったのだと思います。

その後も息子は不登校の日々を送っていますが、
自分でどうしても登校した方がいいと考えた日は、
勇気を振り絞って学校に行くようになりました。

あの終業式の日の成功体験が、息子を支え、登校のハードルを少なからず下げてくれたのでしょう。

親の励ましと同年代の励ましは、やはり違うものです。
ましてや、それが同じ痛みを知る友達からの言葉であればなおのことです。

実はそれまで私は、オンラインフリースクールに偏見を持っていました。
「学校なんて行かなくても良いよな」
そんなふうにお互いを慰め合っているのでないかと思い込んでいました。

誰かが同じ立場から抜け出そうとすれば、
足を引っ張るようなこともあるのではと考えていました。
酷い偏見です。

しかしそんな穿った見方は、息子の背中を押してくれた子たちに打ち砕かれました。
応援してくれた子たちにもきっと複雑な気持ちがあったはずです。
それでも挑戦しようとする友達を励ましてくれた気持ちや優しさを思うと、涙が出てきます。

誰ともうまく話せない学校生活を送っていた息子に
そんな声をかけてくれる友達ができたことをとても嬉しく思います。

まとめ

繰り返しになりますが、オンラインフリースクールで友達を作ることは可能です。
同年代との雑談が社会に戻るための大切な練習になるとともに、
同じ痛みを持つ友達との交流は子どもの大切な財産となり、成長を促してくれます。

もちろん摩擦がゼロではありませんが、リアルに比べて低リスクです。

我が家の息子は、オンラインフリースクールで友達を得たことで
確実に心の成長を積み重ねていると感じています。

もしも今友達関係のことなどでオンラインフリースクールへの加入を迷っている方は、
まずは説明会や体験に参加してみてはどうでしょうか。

もちろん即決する必要なんてありません。
実際どんな世界なのかを覗いてみよう。

そんな気持ちで十分だと思います。

そこには意外に素晴らしい世界が広がっているかもしれません。

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